思い出をしまう
くらぶち英語村
山村留学指導員 桐生 穣
育てる会の朝の集いといえば、どの学園でも、ラジオ体操、やまびこあいさつ、自然の話、の三つだろう。私にとって真っ先に思い浮かぶのは「自然の話」だ。指導員が持ち回りで投げかけることになっている。
自然の話で取り上げる話題については、数日前から考えることもある。最近どんな花が目に付くかな、植物ばかりだったから動物や気象に変えてみようか、これはみんな興味持ちそうだな、この話は少し難しいかな、あの子なら目を輝かせて聞いてくれるかな...頭の中で子どもの反応を考えながら、気が付けば自然の話の当番の日になる。本腰を入れて自信満々に話して空振りする日もあれば、これはさすがに誰も興味持たないかなと思いながら話すと、意外と興味を持つ子がいることもある。興味を持った子の中には、「これ旅行先でも見たことある!」「夜鳴き声聞いたかも」と、思い出を交えて話してくれることがある。
見たことのない、あるいは覚えているはずのない景色になぜか見覚えがあったり、何気なく図鑑やテレビ番組を見ていたら名前も知らないのに見覚えがあったり、ということがある。そのような場面に出くわすと、あぁ、確か家族で行ってあの近くを散策したな、園芸が好きな友人もこの花が好きだったな、と思い出があふれ出てくるのだ。
自然と言われると、環境保全や環境問題などの社会問題と関連付けられることが多い気がするが、自然には個々人の思い出をしまっておくという役割もあると感じている。小さいことにでも興味が向き、もし将来「この虫、山村留学生の仲間と探したな」と、今の思い出の引き出しになってくれれば、一指導者としてこれ以上嬉しいことはない。その一助を担えるように、小さなことでも興味が向くよう、日々精進していきたい。
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写真:「2人で採ったタケノコで熱唱!」
