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指導者だより

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立ち止まって

山村留学指導員 村田宗一郎

 「草が気持ちよさそう」ある小学生が登校中、突然立ち止まりこう呟(つぶや)いた。用水路から流れ込む水に揺られる田んぼの稲を見ていた。何気ない一言だったが、なぜか私の心に残った。私も同じ場面を見ていたが、歩き慣れた通学路、いつもと同じ風景の中に混じり、見慣れた景色の一部になってしまっていた。ふと考えた時、いつからか年を重ねるにつれ、外を歩くときに立ち止まって何かを観察したり、景色を眺める機会が減ってしまっていたように思う。それと同時に、その行為の大切さを再認識した。

 くらぶち英語村の生活では、通常の英語学習に加え、自然体験活動も行っており、子どもたちにとって忙しい一年だと思う。その中での自然体験活動というと、ハイキングなどの週末活動を思い浮かべる。ハイキングやラフティングなどの活動には特別感があり、子どもたちにとってとても良い経験になっていることは確かだと思う。しかし、今私が幼少期を思い浮かべた時、ふと思い返すのは、学校帰りの川の匂い、土砂降りの雨の中歩いた記憶、紅葉で落ちた葉を踏みしめる感触、ハラハラしながら雪の上を歩いた記憶、どれも当時、特別なものではなかった。ありふれた日常の中にこそ、心に残る自然風景があるのではないかと思う。
 今の時代、家にいても誰とでも連絡が取れ、時間を潰すツールは無限にあると思う。私自身、休日どこにも出かけず、家で時間を潰すだけの日もある。しかし、外に出て友達と遊ぶこと、その季節に応じた遊びをすることは、大人になった時、必ず良い記憶として自分を支えることになると思う。そして倉渕という地域は、美しい自然に囲まれ、四季を全身で感じることができる、素晴らしい場所だと思う。歩き慣れた場所でも、飽きるほどに見た景色でも、立ち止まって、自然を感じる時間を取ってみてほしい。

写真:登校中の小学生
写真:登校中の小学生














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