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畑奮闘記

山村留学指導員 土本愛果

 センターでは子どもたちと一緒に畑仕事をしているが、今年は自宅でも畑を始めてみた。祖父が亡くなって以来、祖母が一角を使うのみになっていた畑。私はその空いている場所に、とうもろこし、枝豆、さつまいもなどを植えた。

 驚いたことに、高校二年生の妹が「私もやる」と手伝い始めた。そこに父も加わり、家族で土に触れる時間ができた。何気ない作業だが、とても心地よい時間だ。
 そうして畑仕事をしていると、お隣さんが「何を植えるの?」と声をかけてくださった。「さつまいもです」と答えると、「ああ、昔そこで作ってたね」と一言。祖父もこの場所でさつまいもを育てていたそうだ。以来、畑に出ると時々声をかけてもらうようになり、畑は人とのつながりも育ててくれる場所なのだと感じた。
 しかし、悲劇は訪れる。猿の襲来である。最初に被害に遭ったのは祖母のじゃがいもだった。まだ芋もできていないのに株ごと次々と引き抜かれ、やがて全滅してしまった。祖母は網を張って対策をしているが効果は薄い。私も電柵や金網を設置しようと考えたものの、畑の複雑な形や広さ、費用や手間を思うと、重い腰が上がらない。
 そうこうするうちに近所の方から衝撃的な話を聞いた。「猿が電線を伝って、上から畑に侵入していた」というのである。横だけでなく上まで対策するのかと思うと、重い腰はさらに重くなった。
 それにしても、近頃は猿が多い。草原に四十匹ほどの群れを見たとも聞くし、私自身も車で走っている時などによく見かける。憎さのあまり、ある考えが頭をよぎることもあったが、車に驚いた母猿が背負った子猿をぎゅっと抱き寄せる姿を見るとそんなこともできず、クラクションを鳴らして威嚇するにとどめた。
 人も猿もこの土地で生きている。彼らもまた懸命に生きているのだ。重い腰をあげて早急に対策を練ろうと思う。

写真:我が家の畑 写真:我が家の畑















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