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「入職一年目の省察」

山村留学指導員 土本愛果

 去年の春に入職し、めまぐるしい日々に身を投じるうちに、気づけば冬が訪れた。年度の節目を目前に控え、改めてこの一年を振り返る。

 私の故郷は、野山に囲まれた自然豊かな地だ。実家では祖父母が田畑を耕し、保存食作りや狩猟、山仕事なども好んで行っていた。当時の私はといえば、ただ自由奔放に遊ぶだけの子供だった。
 自然体験には事欠かなかったが、八坂に赴任して、かつての自分がいかに「ただそこに居るだけ」だったかを痛感した。生活に根ざした農の知恵や手仕事。目の前にあった豊かな営みに、なぜあれほど興味を持たなかったのか。学園生と共に活動するたび当時の無関心さが悔やまれる。
 ところが、子供たちと活動に没頭する中で時折、子供時代を「やり直している」かのような不思議な感覚に包まれることがある。田畑の土に触れるたび、かつて名も知らぬまま通り過ぎていた植物の名を知るたび、幼き日の私が満たされていく気がするのだ。
 自然をただの景色として受け流すのは、あまりにもったいない。こちらから能動的に意識を向けて、はじめて自らの血肉になるのだ。全力で自然と対峙(たいじ)し、日々成長する学園生の姿は、私にそう気づかせてくれた。
 私は今、学園生と共に山村の暮らしを一から学び直している。ここでの経験が、学園生と私自身の確かな財産となるよう、これからも真摯に向き合っていきたい。

写真:八坂の冬
写真:八坂の冬















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