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「一人挑んだ森の厳しさ」

山村留学指導員 浅平泰地

 三瓶こだま学園には、三期生が作詞した学園歌、「僕らの風」がある。学園生の視点から山村留学の四季が秀逸に描き出されている。その学園歌にこんな一節がある。「ひとり挑んだ森の厳しさ、一人試した自分の力」。春夏秋冬の秋の部分に当たるこの歌詞は、ソロキャンプの事を表している。

 一年のうち複数回行うキャンプ活動の中で、ソロキャンプは一つの集大成という位置づけだ。子どもたちはお互いが見えない位置に割り当てた区画の中で24時間を過ごす。自然とわが身、一対一の時間だ。指導員の巡回の他には、時折聞こえる熊鈴の音や、夜間木々の間から垣間見える焚火(たきび)の光を見て、ほかの学園生の存在を感じ、何となく心強く、励まされたような気持になる。
 同じ24時間を過ごしても、その内容は個々のスキルや個性によってずいぶん異なったものになる。新入生はもっぱら火おこしに苦労する場合が多い。自分で決めた本数のマッチで昼夜朝の三食を作る中で、夜のうちにマッチを使い切ってしまう子や、残り数本になったマッチに望みを託して朝を迎える子もいる。一方で力をつけてきた継続生の中には、自作の火打石を携えて、マッチなしで火おこしに臨んだ子もいる。結果的に彼らは危なげなく三食作り上げ、夜も焚火に守られながら過ごしていた。ほぼ同じ条件、同じ時間の中でも、十人十色の体験をするのがこの活動の面白みだと思う。
 「ひとり挑んだ森の厳しさ、一人試した自分の力」。学園歌の一節はこう続いている。「そんな中僕らは仲間を思いあう」。たった一人で挑むソロキャンプが仲間への思いへとつながる所が、逆説的で面白いなと思う。お互いが見えない中でこそ、馳(は)せた思いや、深まる絆(きずな)があったのかもしれない。

写真:ブルーシートで作ったテントで休む学園生
写真:ブルーシートで作ったテントで休む学園生















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