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指導者だより

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姿で見せる指導者に

山村留学指導員 大山楽人

 これから滑る斜面を見下ろす。コース上に人はいない。ゴールエリア付近にはたくさんの人だかり、視線が自分に注がれる。「ふー」と一息。緊張で高鳴る鼓動を感じながら、滑り出す。
 先日、東京都スキー連盟主催のスキー技術選手権大会に参加してきた。男子では約260人が出場し自分のスキー技術を競い合う。私は、5回目の出場となったが、何度出場しても一年で一番緊張する瞬間だと感じる。

 山留生には収穫祭の個人体験発表や演目発表、スキー検定など、緊張する場面がたくさんある。「リラックスして!」「今までやってきたことに自信もって!」と、普段山留生に投げかけている言葉が大会中は自分を励ますことになった。大人になると、緊張で頭が真っ白になるような場面は減っていくが、やはり緊張を味わうことはいつになっても貴重な経験だと思う。

 大会から帰り、子ども達に報告した。すると「楽人さんでも緊張するんだね」と意外そうに尋ねる子ども達。私は「みんなが、検定するときはこんな気持ちだろうなと思ったよ」と伝えた。
 指導者として長くいると、子ども達が感じる体験の喜び、苦労、緊張などが身近に感じにくくなってくる。それでも、私は子ども達の体験を指導する以上、なるべく自分も同じ境遇を味わい共感できる大人でありたいと思っている。指導する側も実体験があってこそ、子ども達が感じる、達成感やつまずきを理解し、見守ったり手を差し伸べたりできるのだ。
 大人として、夢中になれるものがあること、とてつもない緊張を経験すること、そしてそれを子ども達に見せていくこと、そんな指導者をこれからも目指していきたい。
 『そうだよね!俺もそうだったよ』と会話する日々をこれからも過ごしていこう。

写真:当日の滑り
写真:当日の滑り















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