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雪が見せてくれるもの
三瓶こだま学園
山村留学指導員 浅平泰地
雪が降ると、地上にはそれまで見えなかった動物たちの足跡が現れる。通学路や牧草地、スキーリフトの眼下には様々な動物たちの足跡が付いている。
三瓶で生活をしていれば、しばしば野生動物を見かけることがある。しかし雪に残った足跡を見ると、想像よりずいぶん多くの動物たちが、冬の自然の中を闊歩(かっぽ)していることが分かる。先日ノルディックスキーの活動をした際には、イノシシ、ノウサギ、ヤマドリの足跡を見つけた。また他にも、テンやキツネ、タヌキと思しき足跡も見ることができた。
ある日の夕方、車で子どもたちの通学路を通ったに際、ふと雪上に残された沢山の足跡に目が止まった。それは動物のものではなく、下校中についた、学園生たちの足跡だった。センターに向かって伸びていく足跡の多くは、雪の少ない道の中央付近に寄っていたが、ある一人の足跡だけは、路肩に積もった新雪の上に200メートルほども続いていた。その足跡はあえて雪の上を歩いているように思えた。誰なのかは分からないものの、雪を踏みしめる感触を楽しみながら嬉々として歩く子どもの姿が目に浮かんできた。
子どもたちは毎日のように登下校をしているが、雪でその跡が可視化されたことで、子どもたちの息づかいが聞こえるほどにその様子が浮かび上がってきたことがとても面白く新鮮に感じられた。そしてそれは動物たちも同じだ。普段はなかなか見えずとも、野山を駆け回る動物たちの姿が、雪に残された足跡から見えてくる。いつも身近にいるのに見えないものの姿を、雪が見せてくれるのだ。春になるまでの今しばらくの間、雪が見せてくれるものに目を凝らしていようと思う。
写真:通学路の雪道を歩く子どもたち
